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【修理実績】ThinkPad P15 Gen 1|電源は入るのに画面が映らない・突然落ちる症状を診断

5 分前
読了時間: 5分

今回は、Lenovo ThinkPad P15 Gen 1 の修理・診断事例です。


ThinkPad P15 Gen 1

お持ち込み時の症状は、

  • 電源は入る

  • ファンも回る

  • キーボードなどのLEDも点灯する

  • しかし液晶には何も表示されない

  • 外部モニターにも映らない

という状態でした。

電源そのものは入っているものの、Windowsはもちろん、BIOS画面まで表示されないことがあります。

さらに本体を確認すると、かなり熱を持っている状態でした。



まずはメモリ周辺を確認

ThinkPad P15 Gen 1は複数のメモリスロットを備えています。

背面側のメモリスロットを確認したところ、こちらは空きスロットになっていました。

そこで手持ちのDDR4メモリを取り付けて起動を試したところ、一度画面が表示され、Windowsも起動しました。

ただし、この時点では「メモリを取り付けたことで直った」とは判断できません。

作業中に本体が冷えたことで、たまたま起動できた可能性もあるためです。

その後、追加したメモリを外した状態でもWindowsが起動することを確認しました。



起動できる時とできない時がある

Windowsが起動したあと、再起動を何度か試します。

最初の2回ほどは正常に再起動できました。

ところが、その後再び、

  • Lenovoロゴが出たあと画面が消える

  • キーボードのLEDが数秒ごとに点滅する

  • 起動できたりできなかったりする

という症状が発生しました。

さらに途中では「Boot Configuration has been recovered」というBIOSの起動設定を復旧したことを示すメッセージも何度か表示されました。

この時点で、Windowsだけではなく、BIOSやハードウェア側の問題も疑う必要があります。



SSDをチェック

Windowsが起動できている間に、SSDの状態も確認します。

CrystalDiskInfoで確認したところ、

  • 健康状態:99%

  • 温度:正常範囲

  • 重大なエラー:なし

という結果でした。

SSDそのものに大きな異常は確認できませんでした。



CPU温度が100℃近くまで上昇

続いてHWiNFOを使用してCPU温度を確認しました。

すると、一時的にCPU温度が100℃前後まで上昇し、サーマルスロットリングも発生していました。

サーマルスロットリングとは、CPUが高温になった際に、故障を防ぐため自動的に動作速度を落とす保護機能です。

そこで本体を分解し、

  • ファン清掃

  • ヒートシンク確認

  • CPU・GPUのグリス再塗布

を行いました。


ファンの清掃とグリスの塗りなおし

作業後は通常時の温度が下がり、冷却状態は改善しました。

ただし、CPU温度が高くない状態でも突然再起動することがありました。

そのため、熱だけが原因とは考えにくい状態です。



CMOSクリア、メモリ切り分けも実施

BIOS設定の不整合を疑い、CMOSクリアも実施しました。

しかし症状に大きな変化はありません。

さらに、キーボード下に搭載されていた元の16GBメモリ×2を取り外し、別の4GBメモリ1枚だけで動作確認を行いました。

この状態でも、しばらくすると突然電源が落ちることがありました。

つまり、元のメモリだけが原因とは考えにくくなります。



Windowsを使っていないBIOS画面でも電源断

さらに重要な確認として、Windowsを起動せず、BIOS画面のまま放置してみました。

約20分ほどは正常に動作していましたが、その後突然電源が落ちました。

BIOS画面ではWindowsもSSD上のシステムも動作していません。

そのため、この時点ではマザーボード上の電源回路や制御回路の不具合をかなり強く疑います。



Lenovo VantageからBIOS・システム更新

その後、再びWindowsが安定して起動できるタイミングがあったため、Lenovo Vantageからシステムアップデートを確認しました。

そこで、

  • BIOS Update

  • 各種システム関連アップデート

を実施しました。

BIOS更新は無事に完了。

この更新以降、これまで頻発していた突然の電源断が発生しなくなりました。


BIOSアップデート


更新後は長時間安定

BIOS・システム更新後に改めて動作確認を行いました。

確認した内容は、

  • YouTubeを再生しながら約3時間連続動作

  • 再起動

  • シャットダウンからの起動

  • スリープ状態からの復帰

  • CPU温度確認

  • イベントビューアー確認

などです。

いずれも正常に動作しています。

CPU温度も以前より安定し、ヒートシンクも極端に高温になる状態ではなくなりました。

イベントビューアーでも、BIOS更新後はBitLocker関連を除き、新たな重大エラーや電源断の記録は確認されていません。


今回の診断結果

今回の症状は、当初はマザーボード故障の可能性が非常に高いと考えていました。

実際、

  • BIOS画面でも電源が落ちる

  • メモリを変更しても改善しない

  • CMOSクリアでも改善しない

  • SSDにも大きな異常がない

  • CPU温度が低い時にも電源断する

という状態だったためです。

しかし、BIOSおよびシステム関連のアップデート後に症状が再現しなくなったことから、BIOSやファームウェア、電源管理周辺の不整合が影響していた可能性も考えられます。

完全に原因を断定することはできませんが、現時点では安定動作を確認しています。



今回のポイント

パソコンが

「電源は入るのに画面が映らない」

「突然電源が落ちる」

という場合、原因は一つとは限りません。

今回は、メモリ → SSD → 冷却系 → CMOS → BIOS → 電源系 と順番に切り分けを行いました。

一見するとマザーボード故障に見える症状でも、BIOSやファームウェアの不具合が関係していることもあります。

現在は、負荷をかけた状態でも3時間以上正常動作していますが、今回の症状は「発生する時としない時がある」という不安定なものでした。

お客様には経過観察としてご返却となります。

同様の症状が再発した場合は、改めてマザーボードを含めた診断が必要となります。」


ファイブボックスでは、このような原因が特定しにくい症状のトラブルでも、最後まで原因追及に努めていきます。

お困りの際は、お気軽にご相談ください。

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