【修理実績】ThinkPad P15 Gen 1|電源は入るのに画面が映らない・突然落ちる症状を診断
今回は、Lenovo ThinkPad P15 Gen 1 の修理・診断事例です。

お持ち込み時の症状は、
電源は入る
ファンも回る
キーボードなどのLEDも点灯する
しかし液晶には何も表示されない
外部モニターにも映らない
という状態でした。
電源そのものは入っているものの、Windowsはもちろん、BIOS画面まで表示されないことがあります。
さらに本体を確認すると、かなり熱を持っている状態でした。
まずはメモリ周辺を確認
ThinkPad P15 Gen 1は複数のメモリスロットを備えています。
背面側のメモリスロットを確認したところ、こちらは空きスロットになっていました。
そこで手持ちのDDR4メモリを取り付けて起動を試したところ、一度画面が表示され、Windowsも起動しました。
ただし、この時点では「メモリを取り付けたことで直った」とは判断できません。
作業中に本体が冷えたことで、たまたま起動できた可能性もあるためです。
その後、追加したメモリを外した状態でもWindowsが起動することを確認しました。
起動できる時とできない時がある
Windowsが起動したあと、再起動を何度か試します。
最初の2回ほどは正常に再起動できました。
ところが、その後再び、
Lenovoロゴが出たあと画面が消える
キーボードのLEDが数秒ごとに点滅する
起動できたりできなかったりする
という症状が発生しました。
さらに途中では「Boot Configuration has been recovered」というBIOSの起動設定を復旧したことを示すメッセージも何度か表示されました。
この時点で、Windowsだけではなく、BIOSやハードウェア側の問題も疑う必要があります。
SSDをチェック
Windowsが起動できている間に、SSDの状態も確認します。
CrystalDiskInfoで確認したところ、
健康状態:99%
温度:正常範囲
重大なエラー:なし
という結果でした。
SSDそのものに大きな異常は確認できませんでした。
CPU温度が100℃近くまで上昇
続いてHWiNFOを使用してCPU温度を確認しました。
すると、一時的にCPU温度が100℃前後まで上昇し、サーマルスロットリングも発生していました。
サーマルスロットリングとは、CPUが高温になった際に、故障を防ぐため自動的に動作速度を落とす保護機能です。
そこで本体を分解し、
ファン清掃
ヒートシンク確認
CPU・GPUのグリス再塗布
を行いました。

作業後は通常時の温度が下がり、冷却状態は改善しました。
ただし、CPU温度が高くない状態でも突然再起動することがありました。
そのため、熱だけが原因とは考えにくい状態です。
CMOSクリア、メモリ切り分けも実施
BIOS設定の不整合を疑い、CMOSクリアも実施しました。
しかし症状に大きな変化はありません。
さらに、キーボード下に搭載されていた元の16GBメモリ×2を取り外し、別の4GBメモリ1枚だけで動作確認を行いました。
この状態でも、しばらくすると突然電源が落ちることがありました。
つまり、元のメモリだけが原因とは考えにくくなります。
Windowsを使っていないBIOS画面でも電源断
さらに重要な確認として、Windowsを起動せず、BIOS画面のまま放置してみました。
約20分ほどは正常に動作していましたが、その後突然電源が落ちました。
BIOS画面ではWindowsもSSD上のシステムも動作していません。
そのため、この時点ではマザーボード上の電源回路や制御回路の不具合をかなり強く疑います。
Lenovo VantageからBIOS・システム更新
その後、再びWindowsが安定して起動できるタイミングがあったため、Lenovo Vantageからシステムアップデートを確認しました。
そこで、
BIOS Update
各種システム関連アップデート
を実施しました。
BIOS更新は無事に完了。
この更新以降、これまで頻発していた突然の電源断が発生しなくなりました。

更新後は長時間安定
BIOS・システム更新後に改めて動作確認を行いました。
確認した内容は、
YouTubeを再生しながら約3時間連続動作
再起動
シャットダウンからの起動
スリープ状態からの復帰
CPU温度確認
イベントビューアー確認
などです。
いずれも正常に動作しています。
CPU温度も以前より安定し、ヒートシンクも極端に高温になる状態ではなくなりました。
イベントビューアーでも、BIOS更新後はBitLocker関連を除き、新たな重大エラーや電源断の記録は確認されていません。
今回の診断結果
今回の症状は、当初はマザーボード故障の可能性が非常に高いと考えていました。
実際、
BIOS画面でも電源が落ちる
メモリを変更しても改善しない
CMOSクリアでも改善しない
SSDにも大きな異常がない
CPU温度が低い時にも電源断する
という状態だったためです。
しかし、BIOSおよびシステム関連のアップデート後に症状が再現しなくなったことから、BIOSやファームウェア、電源管理周辺の不整合が影響していた可能性も考えられます。
完全に原因を断定することはできませんが、現時点では安定動作を確認しています。
今回のポイント
パソコンが
「電源は入るのに画面が映らない」
「突然電源が落ちる」
という場合、原因は一つとは限りません。
今回は、メモリ → SSD → 冷却系 → CMOS → BIOS → 電源系 と順番に切り分けを行いました。
一見するとマザーボード故障に見える症状でも、BIOSやファームウェアの不具合が関係していることもあります。
現在は、負荷をかけた状態でも3時間以上正常動作していますが、今回の症状は「発生する時としない時がある」という不安定なものでした。
お客様には経過観察としてご返却となります。
同様の症状が再発した場合は、改めてマザーボードを含めた診断が必要となります。」
ファイブボックスでは、このような原因が特定しにくい症状のトラブルでも、最後まで原因追及に努めていきます。
お困りの際は、お気軽にご相談ください。





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