パソコン修理メンテレポート【dynabook 起動復旧からSSD交換まで】
- FiveBox
- 6月27日
- 読了時間: 4分
不具合の背景と症状
今回は、上田市にお住まいのS様、直接教室にお見えになってご相談を頂きました。通常使っているパソコンが急にヒューズが飛んだように電源が落ち、それ以降全く立ち上がらなくなった、とのことです。 お持ち込みいただいたのはDynabookのノートパソコン、HDDのストレージを積んでいるようです。

それほど急ぎではないようですが、データだけは抽出したいとのことです。
第一弾:復旧作業
ここからは復旧作業についてのレポートです。
初期診断
まずは基本の初期診断、以下の状態が確認できました
画面は真っ暗
dynabookロゴは出るが、そこから進まない
スタートアップ修復を試しても改善しない
原因の可能性
今回は以下のような原因が推測されます。
Windowsのブート領域(BCD)破損
HDDのシステムファイル損傷
ストレージ自体の劣化・故障
実際に行った修復手順
【STEP 1】USB修復ディスクで起動
Windows回復USB(メディア作成ツールで作成)を使って、BIOSからUSBを起動の最優先に設定して起動。
【STEP 2】スタートアップ修復 → 失敗
自動修復は機能せず、コマンドプロンプトで手動修復を行うことに。
【STEP 3】bootrec・bootsect・bcdboot で手動修復
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot ← アクセス拒否で失敗
bootsect /nt60 sys ← 成功(ブートコード再作成)
bootrec /rebuildbcd ← Windows.oldしか見つからずスキップ
その後、手動で正しいWindowsフォルダを指定してBCDを再登録:
bcdboot C:\Windows /l ja-jp /s C: /f ALL
💡 dir C:\ で「Windows」や「Program Files」があるか確認し、ドライブを特定します。
【STEP 4】USBを抜いて再起動 → 復旧!
正しいコマンドを実行した後、USBを外して再起動したところ、dynabookが正常に起動しました!
課題:HDDの劣化とパフォーマンス
パソコンは立ち上がったのですが、立ち上がるまで5分程度かかり、立ち上がった後の動きも遅いようです。このまま使い続けると同じ症状が再発する恐れがあります。今回のトラブルの根本原因は、HDDの劣化・遅延の可能性が高いと判断し、ご依頼者様にSSDへの変更をご相談させていただきました。
第二弾:クローン作業
使用したパーツとツール
コピー元:TOSHIBA製 2.5インチHDD(MQ01ABF050)
コピー先:Crucial SSD CT500BX500SSD1(500GB)
PC接続方式:USB/SATAアダプタ経由
使用ツール1:Acronis True Image for Crucial(途中失敗)
使用ツール2:Macrium Reflect Free(成功)
【Step1】Crucial公式Acronisでクローンを試みるも失敗
まずは、Crucial公式で提供されている無料のクローンソフト「Acronis True Image for Crucial」を試しました。

しかし…
クローンボタンを押しても画面がフリーズ
ターゲットディスクを選択しても1時間経過後、最初の画面に戻る
BitLockerドライブでの注意表示は出たが、そこから進まない
このように、Crucial SSD × Acronisの組み合わせではうまくいかないことがあるようです。
【Step2】Macrium Reflect Freeに切り替えて成功!
Acronisの不安定さにより、信頼性の高い別ツール「Macrium Reflect Free(無料版)」に切り替え。これが大成功。初めて使ってみましたが、直感的に進めることができ、インストールからクローン実行までとてもスムーズでした。

🔧 Macrium Reflectでのクローン手順(要約)
コピー元HDDを接続し「Clone this disk...」をクリック
ターゲットにCrucial SSDを選び、既存パーティションは削除
すべてのパーティションをコピー対象に設定
スケジュール設定はスキップ
「Finish」→「Run now」でクローン処理開始!
途中、BitLockerの復号に関する注意が出ましたが「OK」で進行。クローン元の状態が良くなかったためか、6時間程度時間を要しましたがクローン成功!
【Step3】SSDを修理対象PCに取り付けて起動テスト
クローンが完了したSSDを、修理対象PCへ搭載。BIOSで起動ディスクをSSD優先に変更すると、無事にWindowsが立ち上がりました!

起動速度は以前のHDDと比べて300秒⇒30秒と10倍以上向上
ドライバも自動適用され、BitLocker再設定も可能
Windowsライセンスも自動で認証
成功のポイントと注意点パソコン修理メンテレポート【dynabook-起動復旧からssd交換まで】
チェック項目 | 内容 |
✅ SSDの容量がHDD以上か | 必須。1バイトでも少ないと失敗します |
✅ BitLockerの解除が必要か | クローン後は復号状態になります |
✅ Acronisが進まないときは? | Macrium Reflectへの切り替えがおすすめ |
✅ BIOSの起動順位確認 | SSD優先に設定しないと起動しません |
ご料金
調査・復旧作業費用:7,000円(税別)
SSD購入費用(実費)
HDD→SSDクローン作業費用:6,000円(税別)
パソコンの突然の故障、動作が遅くてお困りの方は、お気軽にご相談ください!
ファイブボックスでは、パソコン修理、メンテナンスも地域最安値帯の安心価格で行っています。
Comments